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七ヶ浜国際村の挑戦

[七ヶ浜国際村 30年のあゆみ]

あなたは私を使って文章のレイアウトやデザインの確認をすることができます。
意味のある文章ではありませんが、形式や文字数を確認することができます。

七ヶ浜アート・ウォリアーズ

めざせ、海の向こう!

七ヶ浜の夏の風物詩として定着している七ヶ浜アート・ウォリアーズは、1993年の国際村のオープニングを飾り、その後もほぼ毎夏に開催している芸術祭。30年前、漁業中心の小さな町というイメージが強かった七ヶ浜にとって、文化芸術や国際交流は縁遠いことでした。その未知の領域に踏み込んでいくために、アーティストのみならず観客もスタッフも、激しく熱い情熱をもって参加するのだという決意を込めて、アート=芸術とウォリアーズ=戦士を合わせたこの名前を付けました。

七ヶ浜アート・ウォリアーズのロゴや1993年のポスターのデザインを手がけたのは、サンフランシスコ在住の書家・モダンアート作家の加藤シオー氏。アート・ウォリアーズに一番最初に参加したアーティストです。

時代映すテーマ

初めての七ヶ浜アート・ウォリアーズのテーマは『縄文と海』。縄文遺跡と海という、七ヶ浜町を代表する歴史と自然をテーマに、七ヶ浜オリジナルの作品の創造に果敢に取り組みました。

以降もその時代やその時の国際村の目標を反映したテーマを設定し、テーマにそったオリジナリティを大切にした創造活動を展開しています。

テーマ
  • 1993年 縄文と海
  • 1994年 海響
  • 1995年 海渡
  • 1996年 海辺の女騎士(ワルキューレ)
  • 1997年 海宴 浜の乾杯!
  • 1998年 地球賛歌 コノホシウマレノオタノシミ
  • 1999年 海碧
  • 2000年 南南西の風
  • 2001年 海鳴
  • ※2002年、2003年 開館10周年記念事業のためアート・ウォリアーズはお休み
  • 2004年 海燦燦
  • 2005年 海華(うみはな)
  • 2006年 海遊民族
  • 2007年 海よ宝 人よ宝
  • 2008年 海のいろ
  • 2009年 海、つよく
  • ※2010年 (テーマなし)
  • ※2011年~2013年 震災のためアート・ウォリアーズはお休み
  • 2014年 七色の輝跡
  • 2015年 七つの願い、七つの輝き 七願七輝
  • 2016年 夏色讃夏
  • 2017年 七ヶ浜。夏の発見伝
  • 2018年 笑顔邂逅
  • 2019年 想天開花
  • ※以降、コロナ禍のためアート・ウォリアーズはお休み

インターナショナル・ウィーク
インターナショナル・デイズ

七ヶ浜国際村の代名詞

毎年ゴールデンウィークに開催していた国際交流イベント・インターナショナル・ウィークは、海外の文化・芸術を、パフォーマンス(舞台公演)を中心に、美術、民俗、歴史、観光など多角的に紹介する、誰でも楽しめるプログラムです。とりわけ食文化を紹介する屋台やワークショップは、まだエスニック料理が珍しい時代から始まった人気のプログラムでした。七ヶ浜国際村といえばインターナショナル・ウィークを連想する人も多い、国際村の代名詞です。

国際村の施設をフル活用

海が見える劇場・国際村ホール、水に囲まれた野外劇場・アンフィシアターを中心に、パーティ対応も可能なセミナー室、新たな食文化の発信基地・食の工房、本格的な美術創作に没頭できる手の工房など、様々な活動に対応可能な七ヶ浜国際村の施設の特徴をフルに活用した総合的なプログラムとして計画したのが最初のインターナショナル・ウィークでした。

異文化を紹介するだけではなく、公演、展示、ワークショップ、食事、買い物……と、様々な角度からテーマ国の文化を体感できること、アミューズメントパークで過ごすように国際村で終日楽しめることを目標に多彩なプログラムを編成しました。

海外から直接招聘したゲストたち

舞台公演やワークショップのために海外からアーティストを直接招聘するのも、インターナショナル・ウィークの特徴のひとつでした。彼らは町内や県内の観光や町の人々との交流にも参加しました。

在京の各国大使館からも支援を受け、大使はじめ大使館からの臨席も恒例となっていました。

インターナショナル・ウィークから
インターナショナル・デイズ

インターナショナル・ウィークは、ゴールデンウィークを含んだ約10日、国際村を彩るイベントとして定着しましたが、2002年まで9回を重ねた後、一旦休止となりました。その後、再開を求める多くの声が寄せられ、2005年、開催日程を5月3日~5日の3日間に限定したインターナショナル・デイズとして復活しました。

1994年から2002年までの9回のインターナショナル・ウィークと2005年から2023年までの15回のインターナショナル・デイズで紹介してきた国は23か国に及びます。

アーティストとともに歩む
ピアニスト・仲道郁代さんとの30年

レジデント・アーティスト

1990年代初め、アーティストが一定期間ある土地に留まり、作品の制作、発表までを行うアーティスト・イン・レジデンスという滞在制作のスタイルが日本でも採用され始めました。国際村のオープニング企画でも、美術作家を国内だけでなくインドからも招聘しての滞在制作を組み込みました。

同様に音楽でも、七ヶ浜に滞在し、時間をかけたリハーサルや公演をし、町の人たちと関わりながらともに成長していってくれる演奏家と出会いたいという思いが強くなり、1992年、新進気鋭のピアニスト・仲道郁代さんに初めてコンタクトをとりました。

レジデント・アーティストから
しちがはま文化大使

仲道郁代さんとは宮城県(仙台市)出身という以外に接点はありませんでしたが、躊躇しているだけでは始まらない!と、思い切って送ったラブコールでした。その思いが通じ、仲道さんは早速七ヶ浜に来町、阿部仁元町長が建設中の国際村を案内しました。その結果、レジデント・アーティストとして、ホールのピアノの選定、オープニングのコンサートの開催、さらに先の長いお付き合いを快諾してくださったのです。

以来、毎年のコンサートだけではなく、子どもたちのための特別プログラムやピアノの指導、学校訪問などのアウトリーチも積極的に展開しています。これらの功績をたたえ、2018年の町政施行60周年式典で七ヶ浜教育文化功労章を授賞、同時にしちがはま文化大使に就任していただきました。

ピアニスト・仲道郁代さんを通して知る
クラシック音楽の魅力

仲道さんによる国際村の企画は、クラシック音楽初心者に向けたプログラムと、クラシック音楽の魅力を深堀りするプログラムを織り交ぜた企画で、国際村の観客がクラシック音楽への造詣を深めるための長期計画ともいえるものです。

若手の演奏家をゲストに迎えたコンサート

フレッシュな演奏を届けるだけでなく、ゲストの若手演奏家も数年後に再び国際村のコンサートに参加し、観客がその成長を見届ける長期的なプログラム。

子どものためのプログラム

演劇の要素を取り入れたコンサート「仲道郁代の音楽学校」や子どもを対象にしたピアノコンサート「星のどうぶつたち」、小中学校の芸術鑑賞事業、学校訪問など。

円熟した演奏により、クラシック音楽の魅力を深掘りするプログラム

2008年から2016年、8回にわたって開催したベートーヴェン・ピアノソナタ全曲公演、2017年から2021年のショパン・シリーズ、2023年のオール・ブラームス・プログラム・コンサートなど、作曲家にフォーカスしたプログラム構成のコンサート。

七ヶ浜町と仲道郁代さん

東日本大震災から2カ月余りがたった2011年5月30日、改修及び安全確認を済ませた国際村ホールに、震災後初めて観客が入りました。舞台に立ったのは仲道さんと長女でフルート奏者の舞琴さん。仲道さんの優しい語りと力強い演奏に、満員の観客は大きな力をいただきました。

町内の中学生は、在校中に必ず仲道さんの生演奏に触れています。毎年中学校3年生を対象に、町内2つの中学校(七ヶ浜中学校、向洋中学校)合同で芸術鑑賞教室を開催しているからです。

小学生に対しては、毎年6年生へのアウトリーチ(音楽教室)を実施しています。おかげで七ヶ浜町には、クラシックを『つまらない』、『難しい』と感じる子どもが少なくなりました。

仲道さんは、ピアノを演奏する子どもたちへのワンポイントレッスンも実施し、鑑賞者の育成だけでなく演奏者の育成も後押ししてくれています。

世界を舞台に活躍するピアニスト仲道郁代さんと七ヶ浜国際村が出会ったことで、七ヶ浜町の人たちにとってクラシック音楽が身近な音楽になりました。これからも仲道さんとともに七ヶ浜町のクラシック音楽ファンを育て、町のアートシーンを創造していきます。

町民参加プログラム

町民参加ミュージカル

1993年の開館時から「町民が参加できる事業」の充実を目指した国際村は、野外公演のコロスとして観世栄夫氏との共演、アーティストとの交流パーティなど、町の人たちがプロフェッショナルの才能に直接触れる機会を積極的に提供しました。

その中でもとりわけ力を入れたプログラムが、二期会合唱団の下瀬のり吉氏を指導者に迎え「七ヶ浜国際村専属合唱団」を結成し、二期会のソリストたちと一緒に舞台で歌い・踊り・演じる「町民参加ミュージカル」です。

1993年11月に『マイ・フェア・レディハイライト』でスタートした「町民参加ミュージカル」は、2000年まで毎年11月に国際村ホールでの公演を続け、子どもからシニアまで、男女を問わず幅広い層の町の人たちが国際村ホールの舞台に立ちました。

七ヶ浜国際村では、
町の人たちが観客として客席に座っているだけではなく、
自ら舞台に立ったり、
アーティストと交流するなど、
国際村のプログラムに参加できることを目指しています。

たいまつ隊

国際村のオープニングのメインイベントは観世栄夫氏監修・出演による『神々の宴 土と火の祭』でした。アンフィシアターで観世氏が舞う幽玄な世界に命を吹き込むたいまつ隊を演じたのは町の子どもたちでした。裸火のたいまつを手にした子どもたちの安全のために、町役場の職員たちもサポートにつきました。

国際村のオープニングは、観客席を埋めた人々だけではなく、舞台の上や舞台裏にもたくさんの町の人々が参加していました。

交流パーティ

国際村では、終演後に観客との交流パーティを開催することを原則としていました。アーティストには負担になることもあったかも知れませんが、概ね楽しい時間を過ごしてくれていたようです。

TV画面の向こうにしか見たことがなかったアーティストが、国際村のホールの舞台に立つのを見て、さらに直接話ができる--その新鮮な感動は、舞台公演になじみがなかった町の人たちに、舞台公演の楽しみ方、国際村の意味や魅力を伝える機会となりました。

かかわり隊

国際村開館と同時に発足し10年近く活動を続けた国際村のボランティアチーム・かかわり隊。国際村の活動を支える、欠くことができない存在でした。公演当日の準備や、楽屋ケータリングをサポートするほか、かかわり隊のニュースレター”WaiWaiアンテナ”を発行し、独自取材によるイベントレポートを発信していました。

『小江戸まつり』の際には江戸の庶民に扮し来場者の接遇にあたるなど、エンターティナーとしても活躍しました。